Visaのタッチ決済(以下、Visaタッチ)とは、クレカの国際ブランドVISAが提供する非接触式の決済方法です。VISAが発行するVisaタッチ対応カードで利用でき、対応カードを端末にかざすだけで決済が完了します。1万円以下の決済であれば、サインや暗証番号の入力は必要ありません。
日本でのVisaタッチ(ビザタッチ)による2017年~2018年の1年間で取引回数は460%も伸びています。さらに、Visaタッチ(ビザタッチ)が使えるお店は、国内だとローソンやマクドナルド、すき家などがあり、年々使えるお店は増え続けており、加盟店数は18倍に増加しました。
特にコロナの影響で非接触式決済が注目されており、クレカでも非接触決済ができる機能としてVisaタッチ(ビザタッチ)の人気が高まってきています。そこで今回は、
- Visaタッチの概要
- Visaタッチのメリット/デメリット
- Visaタッチが使えるお店
- Visaタッチの使い方
- Visaタッチのおススメクレカ
についてご紹介していきます。
Visaタッチ(ビザタッチ)の概要
Visaタッチ(ビザタッチ)が使えるカードには、カードの右上端に、Visaタッチ(ビザタッチ)のロゴがついています。カードの種別はクレカ、デビット、プリペイドを問わず、ロゴがついていればどのカードでもVisaタッチ(ビザタッチ)が使えます。
ただし、昔発行したVISAカードは未対応の場合が多いです。そのため、もしすでに使っている古いVISAカードでVisaタッチ(ビザタッチ)を使いたい場合は、カードを再発行することでVisaタッチ(ビザタッチ)が搭載された新しいカードに交換できます。
Visa payWaveとVisaタッチ決済の違いは?
ちなみに、Visaタッチ(ビザタッチ)と似たVISAの非接触式決済機能に「Visa payWave」があります。Visa payWaveはVisaタッチ(ビザタッチ)が登場する前にあったVISAのタッチ式決済機能です。発行年度が古いVISAカードに搭載されていることが多いですが、現在もVisa payWave及びVisaタッチ(ビザタッチ)の加盟店で利用できます。
Visaタッチ(ビザタッチ)のメリット/デメリット
Visaタッチ(ビザタッチ)のメリット
Visaタッチ(ビザタッチ)のメリットは以下の3つです。
- サインレスかつ暗証番号不要
- 海外でも利用可能
- 安心のセキュリティ対策
サインレスかつ暗証番号不要
Visaタッチ(ビザタッチ)は、従来のクレカに比べ圧倒的にスピーディー決済ができます。なぜなら、Visaタッチ(ビザタッチ)は、普段利用する交通系ICカード『Suica』のように、クレカを決済端末にかざすだけで会計が完了するからです。
そもそも、従来のクレジットカードは、決済端末にカードを差し込んだり、サイン記入や暗証番号の入力が必要となるなど、手間と時間がかかります。一方、Visaタッチ(ビザタッチ)はSuicaのように、カードを決済端末にタッチするだけで、サインレスかつ暗証番号の入力は不要です。
海外でも利用可能
Visaタッチ(ビザタッチ)は海外のVISA加盟店でも利用可能です。国際ブランドであるVISAは全世界にVISAカードが利用できる加盟店があり、そこでも日本と同じようにVisaタッチ(ビザタッチ)が利用できます。海外旅行をするときのクレカ手続きに不安がある方も多いかと思いますが、Visaタッチ(ビザタッチ)は日本で使うときと同じ方法で利用できます。日本で発行したクレカでも全世界のVisaタッチ加盟店で使える点が大きな特徴です。
安心のセキュリティ対策
Visaタッチ(ビザタッチ)には「EMV」というセキュリティ仕様が採用されています。EMVとは全世界共通のクレカのセキュリティ機能であり、Visaタッチ(ビザタッチ)を利用する時はこの高度なセキュリティ性を持つEMVによって決済データなどが守られます。
さらに、Visaタッチ(ビザタッチ)は自分でクレカを決済端末にタッチするため、決済時に他人にクレカを渡す必要がありません。そのため、海外旅行で懸念されるクレカのスキミング(情報を抜き取られること)などが起こる可能性が非常に低くなり、結果的に高い物理的セキュリティ性を発揮してくれます。
Visaタッチ(ビザタッチ)のデメリット
従来のクレカにはないメリットだらけのVisaタッチ(ビザタッチ)ですが、一方で2つのデメリットがあります。
- 高額決済に不向き
- 日本で使えるお店の少なさ
高額決済に不向き
Visaタッチ(ビザタッチ)が使えるのは、決済金額が1万円未満の会計のみです。そのため、1万円以上の会計が必要な場合は、Visaタッチ(ビザタッチ)が使えません。あくまで、決済時間が短縮できる、少額決済向きの決済です。
日本で使えるお店の少なさ
日本でVisaタッチ(ビザタッチ)が使えるお店は年々増え続けていますが、VISAカードが使えるお店全てで利用できるわけではありません。VISAカードが使えるお店の大半は、従来のクレカ決済に対応した決済端末がありますが、Visaタッチ(ビザタッチ)は未対応の可能性があります。
【5選:マクドナルドでおすすめのお得クレカはどれ?】
Visaタッチ(ビザタッチ)が使えるお店
Visaタッチ(ビザタッチ)が使えるお店はヨーロッパやアジアを含めた全世界にあり、VISAの普及活動もあって使えるお店はどんどん増え続けています。日本でもVisaタッチ(ビザタッチ)が使える加盟店数は、直近の過去2年間で18倍に増加しています。
【加盟店一覧(一部抜粋)】
・京王百貨店(百貨店)
・TSUTAYA(レンタル)
・JapanTaxi(タクシー)
・文教堂(図書)
・マクドナルド(飲食)
・すき家(飲食)
・モリバコーヒー(コーヒー)
・はま寿司(飲食)
・ローソン(コンビニ)
・イオン(スーパー)
・セブンイレブン
※Visaタッチ(ビザタッチ)の加盟店の一覧はこちら
セブンやイオンもVisaタッチ(ビザタッチ)を導入
Visaタッチ(ビザタッチ)が使えるお店が増え続ける中で、2020年6月には大手コンビニチェーン店のセブンイレブンは、全国の店舗でVisaタッチ(ビザタッチ)を導入しました。導入当時は、セブンイレブンでVisaのタッチ決済を使うと500円分が還元されるキャンペーンも開催されました。
また、大手スーパーのイオンでも、2018年11月よりVisaタッチ(ビザタッチ)に順次対応しています。イオンではイオングループ店舗で還元率が高くなる「イオンカード」を発行していますが、店舗のVisaタッチ(ビザタッチ)対応に伴い、Visaタッチ(ビザタッチ)を搭載したイオンカードを発行しています。
イオングループで利用するといつでもポイントが2倍になるので、普段からイオンを利用する方にオススメです。
Visaタッチ(ビザタッチ)が使える店舗にはVisaタッチのロゴ
Visaタッチ(ビザタッチ)が使えるお店には、Visaタッチ(ビザタッチ)のロゴが印刷されたステッカーが店内やレジにあります。「Visa payWave」のロゴがついたお店でも利用できます。海外のVISA加盟店でも同様のステッカーがついているので、確認してみてください。
Visaタッチの使い方
Visaタッチ(ビザタッチ)の使い方は、Visaタッチを使うことを店員さんなどに伝え、カードを軽く決済端末にタッチするだけです。ただし、交通系ICカードの「Suica」と比べると、少し反応が遅いので、タッチした直後はカードを動かさないように注意してください。決済端末の音が鳴りランプの色が変われば、決済完了です。
【Visaタッチ(ビザタッチ)の使用手順】
- Visaタッチ(ビザタッチ)が使えるお店で商品を選択
- レジで「Visaで」もしくは「Visaタッチで」と伝え、決済端末側の準備が整ったら、Visaカードをかざす
- 決済リーダーの音が鳴り反応すれば決済完了
決済リーダーの反応音は、クレカ決済をした時と同じ音です。また決済端末次第で完了時に光るランプが、決済エラーのように赤く光ることもありますが、特に問題はありません(※デビット/プリペイドの残高が少なかった場合を除く)。
Visaタッチ(ビザタッチ)を使う時の言い方
Visaタッチを利用する時は、「ビザで」もしくは「ビザタッチで」と店員さんに伝えてください。ただし、筆者の経験ですと、Visaタッチ(ビザタッチ)の知名度がまだあまり高くないことから、店員さんが知らないというケースがあり、その中で「クレカで」と伝えた時が最もスムーズでした。
※どうやら、従来のクレカ決済を使う時と、Visaタッチ(ビザタッチ)を使う時とオペレーションが同じのようです。
Visaタッチ(ビザタッチ)はスマホでも利用可能
GooglePay対応型のAndroid端末であれば、Visaタッチカードを登録すると、スマホでもVisaタッチ決済が利用できます。
【利用までの手順】
- GooglePay対応のAndroid端末にVisaタッチカードを登録
- Visaタッチ決済時にスマホをかざす
Visaタッチ(ビザタッチ)の各店舗での使い方
ここでは、主要な店舗におけるVisaタッチ(ビザタッチ)の使い方をご紹介します。
- ローソン
- セブンイレブン
- マクドナルド
ローソン
ローソンは、大手コンビニ3社の中で最も早くVisaタッチ(ビザタッチ)を導入しています。
ローソンでVisaタッチを使う手順は以下です。
- 「Visaで」もしくは「Visaのタッチで」と伝える
※「クレカで」でも問題なさそうです - 決済端末が光る黒い部分に数秒カードを押し当てる
- 「ポー」という音が鳴れば決済完了
筆者も実際にローソンでVisaタッチ決済をやってみました(写真はセルフレジですが、実際は店員さんがいました)。使用したのは、還元率3%のVisa LINEPayカードです。
実は、店員さんはVisaタッチの存在を知らなかったようで、Visa LINEPayカードをカードをかざした際に、どうすれば良いのか戸惑っていました。Visaタッチはまだ認知度が低いため、今回のように店員さんが困惑する場合もありそうです。
セブンイレブン
’20年6月から全国のセブンイレブンでVisaタッチ(ビザタッチ)が利用可能となりました。
セブンイレブンもローソンとほぼ同じやり方です。
- 「Visaで」もしくは「Visaのタッチで」と伝える
※「クレカで」でも問題なさそうです - タッチのマークがついた白い部分に数秒カードを押し当てる
- 「ポー」という音が鳴れば決済完了
セブンでは「Visa」でとは言わず、「クレカで」と伝えてVisaのタッチ決済を試してみたところ、上手くいきました。ローソンの例のように店員さんも戸惑うこともなかったため、コンビニ等でVisaのタッチ決済を使う場合は、「クレカで」と伝えた方が無難なようです。
マクドナルド
マクドナルドはローソンと同様の決済端末を利用しているため、以前からVisaタッチ(ビザタッチ)に対応していました。そのためマクドナルドでのVisaタッチ(ビザタッチ)のやり方は、ローソンと同じです。
- 「Visaで」もしくは「Visaのタッチで」と伝える
※「クレカで」でも問題なさそうです - 決済端末が光る黒い部分に数秒カードを押し当てる
- 「ポー」という音が鳴れば決済完了
後述しますが、Visaタッチ(ビザタッチ)が使える三井住友カードをマクドナルドで利用すると、いつでもポイントが5倍になります。
【3選】オススメのVisaタッチ(ビザタッチ)対応のクレカ
最後に、おススメのVisaタッチ(ビザタッチ)対応のクレカを3枚ご紹介します。
- 三井住友カード(VISA)
- Visa LINEPayカード
- 楽天カード
三井住友カード(VISA)
Visaタッチ(ビザタッチ)を提供するVISAと提携関係にあるクレカ会社が三井住友カードです。直近で三井住友カードがデザインしたクレカには、ナンバーレスであるとともに、Visaタッチ(ビザタッチ)に対応してます。
その三井住友カードが発行する「三井住友カード(通常カード)」は、ネット経由の申し込みで初年度年会費が無料になるとともに、「キャッシュレスプラン」によって20%還元(最大8,000円分)が還元されます。
「iD」機能も付いているので全国のコンビニなどのiD加盟店でも利用できます。さらに三井住友カードは、「最高2,000万円の海外旅行傷害保険」付きのため、海外旅行で保険の心配される方におススメです。
三井住友カード(VISA) | |
年会費 | 初年度無料(WEB申し込みのみ) ※翌年度以降も条件により年会費無料 ※通常年会費1,375円(税込) ※学生の場合、在学中無料 |
還元率 | 0.5% |
還元ポイント | Vポイント |
発行条件 | 満18歳以上 ※高校生は対象外 |
利用可能枠 | 10~80万円 ※学生 10~30万円 |
旅行傷害保険 | 最高2,000万円の海外旅行傷害保険 |
電子マネー決済 | iD、PiTaPa、WAON等 |
ApplePay対応 | 〇 |
GooglePay対応 | 〇 |
Visa LINEPayカード
大手コミュニケーションツールのLINEと三井住友カード、VISAの3社が提携して発行するのが、「Visa LINEPayカード」です。
Visa LINEPayカードの特徴は、実質永年年会費無料であることに加え、2021年4月までは基本還元率が3%です。そのため、その期間までは年会費無料のクレカとして最もコスパが良いクレカです。申し込みはLINEアプリかラできます。
Visa LINEPayカード | |
年会費 | 初年度無料 ※翌年度以降も年1回以上の利用で年会費無料 ※通常年会費1,375円(税込) |
還元率 | 初年度3%(2021年4月30日(金)利用分まで:通常1%) |
還元ポイント | LINEポイント |
発行条件 | 満18歳以上 ※高校生は対象外 |
利用可能枠 | 10~80万円 |
旅行傷害保険 | なし |
電子マネー決済 | iD |
ApplePay対応 | 〇 |
GooglePay対応 | 〇 |
楽天カード(VISA)
楽天カードは、永年年会費無料、還元率1%のクレジットカードです。
年会費無料のクレカの中で、還元率1%であることから、非常にコスパが良いカードです。カード会員は2,000万人を超えており、日本で最も発行枚数が多いクレカだともいわれています。楽天経済圏との相性が非常に良いため、楽天市場を利用される方におススメのクレカです。
楽天カード | |
年会費 | 無料 |
還元率 | 1% |
還元ポイント | 楽天ポイント |
発行条件 | 満18歳以上 |
利用可能枠 | ~100万円 |
旅行傷害保険 | 最大2,000万円補償 |
電子マネー決済 | 楽天Edy |
ApplePay対応 | 〇 |
GooglePay対応 | 〇 |
Visaタッチカードの種類
Visaタッチ(ビザタッチ)カードには「クレジット・デビット・プリペイド」の3種類があります。これから発行をする人は、自分が利用している銀行が発行しているものや、ポイントを一括して管理したい人は、同じポイントが付くカードを選択することが良いでしょう。
①クレジット
一番種類が豊富なのはクレジット形式のVisaタッチカードです。JAL/ANA/AEONと連携したカードや、docomoのdカードと「id」の機能も付随したdカード、さらに三井住友VISAカードも発行できます。オススメはdポイントも貯まり、idでも決済できるdカードです。
Visaタッチカードの中で最も人気があるのは、三井住友カードのようです。三井住友銀行に口座を持っている方であれば簡単に発行できる点や、ゴールドやプラチナといった特典がある点が非常に魅力的です。
②デビット
Visaタッチのデビットカードは大手3メガバンク発行のカードや、楽天・ジャパンネット銀行が発行するカードなどがあります。プリペイドカードは銀行口座の残高分しか利用できず、決済した瞬間に字引き落としがされるので、クレカでの使いすぎに抵抗がある人はデビットカードがオススメです。
③プリペイド
Visaタッチのプリペイドカードは海外色が強い2枚がラインナップとして挙がっています。プリペイドカードは事前にカードにチャージした金額分だけ利用できます。支出管理などを徹底したい方にオススメのカードです。
キャッシュレス事務局