Apple Cardとは?
米国時間7月30日開催されたAppleの発表会で、Apple Cardの米国でのサービス開始が8月になることが明らかになりました。
Apple Cardとは、Apple社が提供するクレジットカードです。
金融業界のゴールドマン・サックスと、クレカ業界のMasterCardと提携して開発したクレカとなっています。Apple が金融業に参入することと、従来のクレカには無い機能や特徴を持ち合わせていることから非常に高い関心を集めています。
基本的な特徴をまとめると、
①Apple製品(iPhone, iPad, Apple Watch, Mac)のみで利用可能
②MasterCard加盟店で利用可能
③Apple Cash(後述)という支払い用のアカウントが必要
④iPhoneでの非接触決済、ECでのネット決済やクレカでの現物クレカ決済に対応
⑤非常に高いセキュリティ
が挙げられます。
それでは、Apple Cardの特徴について解説していきます。
Apple Cardの特徴
カード番号やCVVが無い
Apple Cardの大きな特徴は、カード番号と裏面にある3桁のCVVが無い点です。
クレカ番号やCVVがない代わりに、Appleのロゴマークとユーザーの名前、そしてマスターカードのロゴマークのみをプリントした非常にシンプルなデザインです。
また、クレカ番号が存在しないため、スキミングやフィッシング詐欺といった経路で情報が抜き取られることが無くなり、セキュリティレベルが非常に高いです。
魅力的なデザイン
リアルカードは、チタン製で白いデザインとシンプルさを追求したクレカとなっています。
発行申請をしてから大体2週間ほどで手元に届くようです。
自分で選べる金利
Apple Cardはユーザーの支払い額によって金利が決定します。
まず、Apple Cardの基本的な金利は13.24%〜24.24%です。
基本的に支払いは月ごとになりますが、もしユーザーが期限までに支払いができない場合は、Apple Cardが支払い額を計算し、ユーザーは支払うことができる範囲額を選択します。
その後、設定した金額に基づきApple Cardが金利を計算します。つまり、支払い額を自分で選択しそれに応じて金利が決まるので、言い換えると金利を自分で選ぶことができるということです。
iPhoneの管理画面で自分で金利を設定することができます。金利が変わるごとに表示色が変わります。
支払いによる通知機能
Apple Cardでは決済する度に、ユーザーのApple端末に、決済金額や場所、日時などの購買履歴を通知します。
通常のクレカでは決済時に通知が来ることは少なく、不正利用にすぐ気づくことが難しいです。
しかし、Apple Cardの通知機能により、例えば紛失したリアルカードが不正利用された場合は、通知ですぐ不正利用に気づくことができます。
さらに、通知画面下の異常を知らせるボタンを押せば、Apple側に不正利用の情報がすぐに届くため、すぐに利用停止措置の実行が可能です。
詳細な購買データの分析
Apple Cardはユーザーの購買データを購入額、購入場所、購入した商品といったカテゴリーで分類する機能も備えています。実際に、購入場所はマップで確認することができます。
また、購入した商品は種別によって色分けされます。例えば、決済履歴のロゴがオレンジ色であった場合は、飲食関係の商品を購入したことを示しています。
買った商品を簡単に識別することができ、さらに決済額における種別ごとの比率確認も可能です。
3つの無料
Apple Cardは、年会費、国際手数料、延滞金が一切かかりません。
テキストでQ&A対応
Apple Cardについての問い合わせは、Wallet内からのテキスト質問が可能です。
Apple Cardのセキュリティ・プライバシー対策
クレカ番号やCVVが無い
上述しましたが、クレカ番号や裏面のCVVが無いので、不正利用の可能性が非常に低いです。
生体認証
iPhoneのWalletアプリで管理されるため、決済にはFaceIDもしくはTouchIDが必要といった生体認証が必要となります。
データ収集をしない
ユーザーのプライバシーに配慮することでAppleは有名ですが、Apple CardでもApple社が利用者の決済データを収集することはしません。
決済データは全てiPhone内で管理され、外部に流出されたり抜き取られる心配もないため、勝手に購買データを利用されることもなくユーザーのプライバシーが保たれます。
Apple端末以外での利用は不可能
Apple Cardを発行したAppleの端末に不正ログインをしてデバイスに不正な変更を加えることは、Apple Cardの利用規約で禁止されています。
つまり、Apple Cardの情報等を抜き取ったり、端末の情報を変更して他端末で利用することはできないということになります。
気になるApple Cardの還元率
Apple Cardには、決済額に応じたキャッシュバック機能がついています。
Apple Cardの場合、一律で還元率が決まっておらず、決済手段によって還元率が変動します。
また即日キャッシュバックとなっており、キャッシュはユーザーのApple Cashに還元され、この還元された金額は次のApple Cardの支払いに利用できます。
3%:Apple Storeでの決済
この支払いにはapple.com経由の支払い、iTunes、Apple Music subscription、そしてiCloud storage planの支払いが含まれます。
つまり、Appleが提供するサービスを購入すればいつでも3%の還元を受けることができます。
2%:Apple Pay経由での決済
Apple Pay経由の購入で2%の還元を受けることができます。
1%:Apple Pay以外での決済
Apple Payに対応していないECや、実店舗でのリアルカードの利用時は、還元率は1%です。
Apple Cardのサービス開始時期
気になるApple Cardのサービス開始時期ですが、7月30日のAppleのカンファレンスでは、サービス開始は8月と正式に発表されましたが、日時まではハッキリしていません。
またリリースされるのはアメリカ国内のみで、これはApple Cardの発行に必要なApple Cashという口座開設に、アメリカ国内の銀行口座が必要となるからです。
つまり、現段階ではアメリカ国内の銀行口座を持ったユーザーのみ、Apple Cardを利用することができます。
一方、EUや香港にてApple Cardの商標登録の申請がされているようなので、アメリカ以外での利用もこれから進むものと考えられます。
(8/5 追記)
ギズモード・ジャパンによれば、7月16日にApple CardとApple Cashの商標登録が日本でも出願されたようです。
まずはApple Cashのアカウントが日本の銀行口座でも発行できるようにする必要があるので、日本上陸はまだ先になる模様です。
[商願2019-97226] 商標:[画像] /
出願人:アップル インコーポレイテッド /
出願日:2019年7月16日 /
区分:9(コンピュータほか),35(事業の運営及び管理ほか),36(金融に関するサービスほか),39(旅行及び観光に関する情報の提供ほか),42(コン… pic.twitter.com/DIRJgmsrYu— 商標速報bot (@trademark_bot) August 4, 2019
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